商略AI

M&A掲載8件では、PVの多さだけで月商を説明できなかった

更新 一次調査3分

PVを増やせば売上も増える、とは限りません。M&Aサイトの掲載案件からPVと月商を両方確認できた8件を並べると、月160万PVで月商1万円の案件と、月475PVで月商130万円の案件が同じ表に入りました。

ただし、8件は無作為抽出ではなく、相関係数も計算していません。「PVと売上は無関係」と証明するデータではありません。この記事で使うのは、PVだけでは月商を説明できない反例としてです。

個人開発でマーケティング支援SaaS「商略AI」( https://shoryaku.net )を作っていて、記事の本数やPVを集客KPIにする前に調べました。

対象は160件ではなく、両方を開示した8件

元の調査は、ラッコM&A「Webサービス・アプリ」カテゴリの約160件です。全33ページ・約730件のうち8ページを選び、重複を除いた非無作為サンプルでした。

その中で、今回の表に使ったのはPVと月商を両方記録できた8件だけです。値は売り手の自己申告で、アクセス解析や決済明細を自分が監査した数字ではありません。

項目 この表の範囲
元の掲載サンプル 約160件
PVと月商を並べた件数 8件
選び方 非無作為。両方を確認できた例
調査時点 2026年8月24日
言えること PVだけでは月商の大小を説明できない例がある
言えないこと 市場全体の相関、PV増加の因果効果

元記事で「実売買160件」と呼んでいた点を含む調査全体の訂正は個人開発SaaSの売却相場は、希望価格だけでは分からないにまとめています。

8件を並べた結果

案件 PV/月 月商
賃貸掲示板 1,609,629 ¥10,000
Word Wolfゲーム 394,667 ¥1,000
X連動Q&Aコミュニティ 135,892 ¥5,544
UGC診断サイト 96,718 ¥2,117
お笑いチケット検索 51,085 ¥30
中途求人プラットフォーム 475 ¥1,300,000
LINE予約SaaS 573 ¥162,057
ピアノ講師マッチング 0 ¥37,000

高PVの例に低い月商があり、低PVの例に高い月商があります。少なくとも、「PVが多い順に月商も多い」という並びにはなっていません。

0PVで月商がある案件は、計測対象外の流入、既存顧客、営業、紹介など別経路の可能性があります。理由は掲載情報だけでは特定できません。PVの定義や計測期間も案件間で完全に統一されていないため、数値の精密比較には向きません。

「検索意図が良ければ売れる」も、この表だけでは言えない

公開時は、高PVの案件を無料コンテンツ型、低PVの案件を事業者向けと分類し、「必要なのは検索意図の質」と結論づけました。仮説としては残りますが、8件から因果までは確認できません。

同じ調査には、SEO記事260本・21,300PV/月・月間利益98,000円と申告された教育AI SaaSもありました。これも、記事が利益を生んだ因果や、どの検索語が有料契約へ進んだかは公開情報から分かりません。

したがって持ち帰るのは、PVを捨てることではなく、売上までの段階へ分けることです。

PVの代わりではなく、PVの先を測る

自社ブログでは、次の順に分けて見ます。

段階 確認すること
表示 どの検索語・投稿から記事が見られたか
訪問 記事へ何人来たか
関心 料金・機能・事例へ進んだか
試用 14日トライアルを始めたか
初回価値 事業設定と最初の分析を終えたか
売上 有料契約し、継続したか

記事PVが増えても、料金ページや試用へ進まなければ、集客記事としての課題は残ります。逆にPVが少なくても、有料契約へ進む読者がいれば事業への寄与は大きくなります。

現時点の自社ブログはSearch Consoleで0クリック・2表示しかなく、記事から有料契約まで評価できる段階ではありません。だからこそ、PVだけを成功条件にせず、流入語と次の行動を記事ごとに決めます。

まとめ

  • 元の約160件のうち、PVと月商を並べたのは8件だった
  • 8件には160万PV・月商1万円と、475PV・月商130万円の例が同時にある
  • 非無作為の自己申告サンプルであり、「PVと売上は無相関」とは証明できない
  • 読み取れるのは、PV単独では月商を説明できない反例があることまで
  • 記事ではPVの先を、料金閲覧、試用、初回価値、有料転換、継続へ分けて測る