商略AI

Google広告の仕組み。キャンペーン・広告グループ・キーワードの関係

マーケティング7分

Google広告を開くと、「キャンペーン」「広告グループ」「広告」「キーワード」という似た言葉が並びます。どれも広告に関する設定ですが、役割と変更が及ぶ範囲が違います。

キャンペーンで予算や配信方針を決め、広告グループで検索意図をまとめ、広告とキーワードを組み合わせる。 これが、キーワードを使う検索広告の基本構造です。

この記事では、架空の料理教室を例に、自社の広告をどこで分け、何をどこに設定するかを考えます。後半では、検索された言葉から広告が表示され、成果が計測されるまでの流れをつなげて説明します。

全体図:広告とキーワードは、広告グループの中に並ぶ

検索広告の構成は、次のようになります。

Google広告アカウント
└─ キャンペーン:料理教室の体験予約
   ├─ 広告グループ:パン作り体験
   │  ├─ キーワード
   │  │  └─ パン教室 体験 など
   │  └─ 広告
   │     └─ パン作り体験の案内 → 体験予約ページ
   └─ 広告グループ:お菓子作り体験
      ├─ キーワード
      │  └─ お菓子教室 体験 など
      └─ 広告
         └─ お菓子作り体験の案内 → 体験予約ページ

キーワードは広告の下に置くものではありません。広告とキーワードが、同じ広告グループに所属します。 検索意図に合ったキーワードと広告をひとまとめにする、と考えると分かりやすくなります。

Googleのアカウント構成の説明も、アカウント・キャンペーン・広告グループという管理階層を基本にしています。ただし、すべてのキャンペーンタイプで、この図のとおりにキーワードと広告を登録するわけではありません。P-MAXなどの違いは後ほど説明します。

キャンペーン:予算と配信方針を決める単位

キャンペーンは「どの広告活動に、どのような条件でお金を使うか」をまとめる単位です。主に、キャンペーンタイプ、予算、対象地域、言語、入札戦略などを設定します。Google広告ヘルプ:キャンペーン

料理教室なら、体験予約を増やす検索キャンペーンを作り、教室へ通える地域に配信する、といった使い方です。同じキャンペーン内の広告グループは、そのキャンペーンの予算を使います。通常、広告グループごとに独立した日予算を割り当てる構造ではありません。

キャンペーンを分けるか迷ったら、次の違いを確認します。

違うもの 分ける判断の例
キャンペーンタイプ 検索広告とP-MAXを使い分けたい
予算の配分 パン教室とお菓子教室に、それぞれ独立した予算を持たせたい
配信地域 東京の教室と大阪の教室で、集客する地域を変えたい
成果の目標や入札方針 体験予約と法人研修の問い合わせを、別々の条件で評価したい

この表は設計を考えるための目安です。商品が違うだけで必ずキャンペーンを分ける必要はありません。予算も地域も成果の目標も共通なら、広告グループで分ける方法から検討できます。

なお、平均日予算は「毎日必ずその金額で止まる上限」ではありません。 日ごとの費用が増減する仕組みなので、使っている予算方式と費用の上限も確認します。Google広告ヘルプ:費用の上限

広告グループ:同じ検索意図に、同じ案内を届ける単位

広告グループでは、近いテーマのキーワードと、それに答える広告をまとめます。

先ほどの例では、「パンを作ってみたい人」と「お菓子を作ってみたい人」で、見たい案内が違います。パン教室を探している人にお菓子作りの広告を見せないよう、広告グループを分けます。

分け方を考えるときは、キーワードの文字の違いよりも、次の問いを使うと整理できます。

この検索をした人たちに、同じ広告文と同じ案内ページを見せても、知りたいことに答えられるか?

「パン教室 体験」と「パン作り レッスン」を探す人には、同じ体験レッスンのページで答えられるかもしれません。一方、「パン教室 開業」は、習いたい人とは違う意図です。開業支援を提供していないなら、別グループを作るよりも配信対象から外す判断になります。

同じ広告グループに、体験予約、講師の求人、開業支援を詰め込むと、誰に何を伝える広告なのか曖昧になります。まず検索意図と案内先をそろえ、それでも予算や地域を分ける必要があればキャンペーンを分けます。

広告:検索した人に見せる内容

広告は、ユーザーが実際に目にする見出しや説明文、クリック後の案内先などです。案内先のページを、ランディングページ(LP)と呼びます。

検索広告では、複数の見出しと説明文を登録する「レスポンシブ検索広告」が使われます。Googleが掲載時に組み合わせを選ぶため、管理画面で入力した順に、すべての文が表示されるわけではありません。Google広告ヘルプ:レスポンシブ検索広告

パン作り体験なら、広告で体験できる内容を伝え、クリック先では日程、内容、料金、予約方法を見つけられるようにします。「パン作り体験」と書いた広告から、教室全体の紹介だけがあるページに送ると、訪問者は体験の案内を探し直すことになります。

また、「アセット」は広告を構成する素材や追加情報のことです。見出し、説明文、画像などのほか、別のページへのリンクを示すサイトリンクなども含まれます。アセットは素材、広告はそれらを使って表示される案内、と区別すると理解しやすくなります。Google広告ヘルプ:アセット

広告見出しの組み合わせを詳しく知りたい場合は、レスポンシブ検索広告の見出しが思いどおりに出ないときも参考にしてください。

キーワード:どんな検索を広告の候補にするか

キーワードは、広告主が登録する単語やフレーズです。一方、検索語句は、ユーザーが実際に検索した言葉です。

用語 架空の例 誰が決めるか
キーワード パン教室 体験 広告主が登録する
検索語句 近くでパン作りを体験できる教室 検索する人が入力する

両者の言葉が違っていても、意味の関連性と設定によって広告の表示対象になります。キーワードを登録したからといって、その文字列だけに広告が出るわけではありません。Google広告ヘルプ:キーワード

マッチタイプで、検索との対応範囲が変わる

マッチタイプ 登録の書き方の例 対象になる検索の考え方
完全一致 [パン教室 体験] 同じ意味・意図の検索
フレーズ一致 "パン教室 体験" キーワードの意味を含む検索
インテントマッチ(旧称:部分一致) パン教室 体験 キーワードに関連する内容の検索まで広がる

完全一致でも、文字が完全に同じ検索だけに限定されません。 フレーズ一致も、登録した文字列がそのまま含まれるかだけで決まる仕組みではありません。Google広告ヘルプ:マッチタイプ

マッチタイプは候補となる検索の範囲を変える設定です。どのタイプでも、実際に表示された検索語句を確認して、狙った人に届いたかを見ます。

対象にしたくない検索は、除外キーワードで制御します。通常のキーワードとは一致のルールが異なるため、具体的な止め方は検索語句からムダな配信を止める手順に分けて説明しています。

検索から広告表示、成果の計測までの流れ

キーワードを登録する作業と、広告が表示される仕組みをつなぐと、次の流れになります。ここではキーワードを使う検索広告を単純化して示します。

ユーザーが検索する
  ↓
検索内容に対応し、配信条件を満たす広告が候補になる
  ↓
オークションで掲載可否や掲載位置が決まる
  ↓
広告が表示される
  ↓
クリックすると案内先のページへ移動する
  ↓
予約・購入などが起きたら、設定に応じて成果を計測する

入札額だけで掲載位置が決まるわけではない

オークションでは、入札単価だけでなく、広告とLPの品質、競合状況、検索時の状況、アセットの効果予測などをもとに「広告ランク」が算出されます。広告ランクは、掲載できるかどうかと掲載位置の判断に使われます。Google広告ヘルプ:広告ランク

そのため、広告が出ないときに、予算や入札額だけを増やせば解決するとは限りません。配信条件や審査状況などの確認順は、表示回数が0のとき、待つか設定を変えるかで紹介しています。

予算・入札・課金は、それぞれ違う

予算は広告活動に使う費用の枠、入札は広告を表示する機会に対していくらで競うかの設定です。クリック課金では、クリックが起きたときの実際の支払額をクリック単価(CPC)と呼びます。Google広告ヘルプ:実際のクリック単価

自動入札では、クリックやコンバージョンなどの目標に応じてGoogleが入札単価を調整します。「コンバージョン数を増やす入札」と「コンバージョンが起きたときだけ料金が発生する課金」は、同じ意味ではありません。最適化の目標と課金の条件は分けて確認します。Google広告ヘルプ:入札戦略

コンバージョンは、広告で増やしたい行動

コンバージョンとは、予約完了、購入、問い合わせなど、成果として計測する行動です。広告がクリックされても、その後の予約まで計測していなければ、どの広告が予約につながったかを評価しにくくなります。

さらに、コンバージョンを重視する自動入札では、キャンペーンで使う目標と、入札対象にしたコンバージョンアクションが重要です。ページ閲覧と予約完了を同じ成果として扱うと、「アクセスは増えたが予約は増えない」というずれが起きる可能性があります。Google広告ヘルプ:コンバージョン目標

P-MAXには、同じ階層図をそのまま当てはめない

ここまでの説明は、キーワードを使う検索広告が中心です。

P-MAXでは、広告グループの代わりに「アセットグループ」を使い、テーマに合う文章、画像、動画などをまとめます。Googleが掲載先に合わせて素材を組み合わせます。Google広告ヘルプ:アセットグループの仕組み

また、検索キャンペーンにも、登録キーワード以外へマッチングを広げるAI最大化設定などがあります。したがって、検索広告でも「キーワード一覧だけを見れば配信範囲がすべて分かる」とは考えず、有効な自動化設定と検索語句を確認します。Google広告ヘルプ:AI最大化設定の仕組み

検索以外のタイプを選ぶときは、Google広告のキャンペーンタイプと選び方で、掲載先と用意する素材の違いを比較できます。

自社の構成を、この欄に書いてみる

用語が分かったら、管理画面を操作する前に、次の項目を埋めてみてください。

増やしたい成果:
キャンペーンで共通にする予算・地域・目標:

広告グループのテーマ:
この人が検索しそうな言葉:
広告で伝える内容:
クリック後に見せるページ:
そのページで完了してほしい行動:
配信対象にしない検索意図:

テーマごとに書き出し、同じ広告とページで答えられるものはまとめます。別の予算や地域が必要なものは、キャンペーンを分ける候補です。この作業をすると、広告文を書く前に「どの人に、何を案内するか」がそろいます。

運用を始めた後は、構成だけでなく、実績から見直す場所を決めます。商略AIのGoogle広告分析では、広告の実績と事業情報をもとに、改善する箇所と理由を整理できます。広告の変更は自動では行わず、対応する変更を個別に確認・承認した場合に適用する仕組みです。