商略AI

作ったホームページを無料で公開する方法

プロダクト8分

ホームページのファイルはできた。でも、それはまだ自分のパソコンの中にあるだけです。

この記事は、それをインターネットに出すまでの話です。前回はAIにページを作らせるところまで書きました。今回は置き場所とドメインです。

個人開発でマーケティング支援サービス「商略AI」( https://shoryaku.net ) を作っています。実際に使っている通信量の実測値を出しながら、結局いくらかかるのかをはっきりさせます。

「公開する」とは何をすることか

やることは1つだけです。作ったファイルを、24時間動いているコンピューターの上に置く。 それだけです。

その置き場所を貸してくれるサービスをホスティング(レンタルサーバー)と呼びます。あなたのパソコンは電源を切ると止まりますが、ホスティングは止まりません。だから世界中の誰でも見られます。

昔は月1,000円くらい払うのが普通でしたが、今は個人や小規模事業のサイトなら、ほぼ無料で置けます。

実際どれくらい使うのか

商略AIのサイト(LP7枚、ブログ、規約などの公開ページ)が、2026年8月の約26日間で使った量です。

項目 実測
通信量(訪問者に送ったデータの合計) 144.1 MiB(1日あたり約5.8 MB)
保存容量(ファイルの合計サイズ) 61.7 MiB

写真をたくさん載せてもこの程度です。 保存容量の大半はロゴとSNS用の画像で、文章とデザインのファイルは全部足しても数MBしかありません。

この数字を頭に入れてから、無料枠を見てください。

無料で置ける場所

2026年9月5日時点で、各社の公式ページに載っている無料枠です。無料枠の内容は変わるので、契約前に必ず自分で確認してください。

サービス 無料でできる範囲 上の実測との比
Firebase Hosting(Google) 保存 10 GB、通信 360 MB/日。独自ドメインとSSLも無料 通信は枠の約2%
Cloudflare Pages 更新作業は月500回まで、1回のアップロードは20,000ファイルまで、1ファイル25MiBまで。独自ドメインは100件まで。通信量の上限はページに書かれていない 更新回数だけ気にすればよい
GitHub Pages サイト全体で 1 GB まで、通信は月100 GB(目安)、更新は1時間に10回まで(目安) 通信は枠の0.15%

(出典:firebase.google.com/pricing、developers.cloudflare.com/pages/platform/limits、docs.github.com。いずれも2026-09-05 確認)

Netlify や Vercel も定番ですが、Netlify の料金ページは無料枠が「300クレジット」という表記になっていて、通信量が何GBに当たるのかがその場では読み取れませんでした。 分からない数字は書かないでおきます。

結論として、ホームページ1つなら3つともタダで足ります。 桁が2つ違うので、通信量の心配はしなくていいです。

どれを選ぶか

料金では差がつかないので、この先どこまで作るかで選びます。

こういう場合 向いている先
ページと問い合わせフォームだけ。会員機能などは作らない Cloudflare Pages または GitHub Pages
すでにGitHubを使っている、または使う予定がある GitHub Pages(一番手数が少ない)
会員登録・ログイン・決済を作る予定がある Firebase Hosting(同じところにログイン機能やデータベースが揃っている)
表示速度を最優先したい Cloudflare Pages

商略AIは Firebase Hosting です。理由は、ログイン・データベース・サーバー処理が同じ場所に揃っていて、サイトとアプリを同じドメインで動かせるからです。 サイトはA社、サーバー処理はB社、というふうに分けると、その2つを繋ぐところで必ず一度つまずきます。

1つだけ注意点があります。 Firebase でサーバー側の処理(Cloud Functions)を使うには、従量課金プラン(Blaze)への切り替えが必要です。商略AIもそうしています。ただしホームページを置いている部分には上の無料枠がそのまま効くので、そこで課金は発生していません。超過した場合の単価は保存 $0.026/GB、通信 $0.15/GB です(同日確認)。

公開する手順

自分で調べながらやるより、エージェントに頼むほうが確実です。 ツールごとに手順が違ううえ、公式ドキュメントのスクリーンショットが古いことがよくあるためです。

このフォルダのホームページを Cloudflare Pages に無料で公開したい。
アカウントは作ってある。
必要な作業を、私がブラウザでやることと、あなたがこのフォルダでやることに
分けて、順番に教えて。専門用語には短い説明を付けて。

「私がやることと、あなたがやることに分けて」は付けたほうがいいです。 エージェントは自分の手で全部できるつもりで説明しがちですが、ブラウザ側のアカウント作成や支払い設定は本人しかできません。ここを最初に分けておくと迷いません。

作業の途中で画面が説明と合わなくなったら、Claude のデスクトップアプリに Chrome拡張(Claude in Chrome) を入れて、開いている管理画面をそのまま見せて聞くのが早いです。「〇〇ボタンを押す」と書いてあるのにそのボタンが無い、という状況は普通に起きます。

独自ドメインを取る

公開すると、まず 〇〇.pages.dev や 〇〇.web.app のようなサービス側のアドレスが割り当てられます。これでも普通に見られます。

それでも独自ドメイン(shoryaku.net のような自分のアドレス)を取ったほうがいい理由は3つです。

  • 名刺やチラシに載せられる。 mysite-2026-final.pages.dev は載せられません
  • メールアドレスを揃えられる。 info@あなたの会社.com が作れます
  • あとから置き場所を変えても、アドレスが変わらない。 ここが一番大きいです。サービス側のアドレスのまま育てると、引っ越すときに検索での評価もリンクも全部やり直しになります

費用と取り方

.com や .net で年1,000〜2,000円程度です。月額ではなく年額です。

取れる場所はたくさんあります。お名前.com、Cloudflare Registrar、Google Cloud Domains、ムームードメインなど、どこで取っても中身は同じです。すでに使っているサービスに合わせるのが管理が楽です。

商略AIは shoryaku.net を Google Cloud Domains で取りました。Firebase と同じGoogleのアカウントで、請求も管理も1か所にまとまるからです。

ホスティングと繋ぐ

ドメインを取っただけでは、まだ何も表示されません。「このアドレスに来たら、この置き場所を見せる」という設定が要ります。これをDNS設定と呼びます。

やることは、ホスティング側の管理画面で「独自ドメインを追加」を選び、表示された文字列を、ドメインを取った側の管理画面にコピーするだけです。難しい判断はありません。

SSL(アドレスが https:// になり、鍵マークが付くやつ)は、3社とも自動で用意してくれます。 別途申し込む必要も、お金もかかりません。反映まで数時間かかることがあります。

ここも詰まりやすいので、画面を見せて聞くのが早い場所です。

AIで作ったサイトにありがちな落とし穴

最後に、置き場所より大事な話を1つ書きます。

前回、「まずはHTMLとCSSだけで作って」と指定したほうがいいと書きました。指定しないと、AIは React などの本格的な仕組みを持ち出すことがあります。 そのとき、こういう問題が起きます。

React などで作ると、完成品のファイルは1枚しか出ません。 /company も /service も、実際には同じ1枚のファイルが返され、開いたあとにJavaScriptが中身を差し替えています。

人間が見るぶんには何の問題もありません。壊れるのは検索エンジンから見たときです。

起きること どうなるか
どのページも検索結果に出るタイトルと説明文が同じになる 会社概要を検索しても、トップページの説明が出る
どのページも「本来のURLはトップページです」と自分で宣言してしまう 何ページ作っても、Googleには1ページに見える
JavaScriptを動かさない機械には中身が空に見える 生成AIの検索から内容を読み取ってもらえない

2つ目が致命的です。商略AIは業種別LPを7枚作っていますが、この対策をしていなければ、7枚とも「トップページの複製」としてGoogleに伝わっていました。

直し方は、症状を言うこと

自分で直す必要はありません。ただし 「SEO対策して」と頼むと直りません。 だいたい昔ながらのキーワード設定を足されて終わります。

症状をそのまま言います。

このサイトはビルドすると index.html が1枚しか出ない作りになっている。
そのため、どのページを開いてもタイトル・説明文・canonical がトップページのままになる。
ページごとに正しい値を持ったHTMLが出力されるようにしたい。

商略AIでは、公開ページの1枚1枚について、ビルド時にタイトル・説明文・canonical・SNS用の画像を差し替えたHTMLを書き出しています。あわせて、JavaScriptを動かさない機械にも見出しと申し込みリンクが見えるように、<noscript> の中に文字を入れています(ブラウザで見るときは上書きされるので二重には見えません)。

この問題は、どのホスティングに置いても同じように起きます。 置き場所の機能ではなく、作り方の問題だからです。

まとめ

決めること 答え
いくらかかるか ホスティングは無料で足りる。 実測で無料枠の2%程度
どこに置くか ページだけなら Cloudflare Pages / GitHub Pages。会員機能や決済を作るなら Firebase Hosting
ドメイン 独自ドメインを取る。年1,000〜2,000円。SSLは無料で自動
注意点 React などで作った場合、放置すると全ページが「トップページの複製」扱いになる

置き場所そのものより、最後の落とし穴のほうが差がつきます。ここを直さないまま何ページ作っても、検索エンジンには1ページに見えています。

続きは公開したらすぐやるSearch ConsoleとGA4設定に書きました。「入れたつもりで数字が空だった」という失敗も込みで説明しています。